山形あのね

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あのね、「和菓子 甘果(かんか)」では山形の季節を手のひらで感じることができるよ 

こんにちは!山形ガチャ倶楽部のこはるです。
綺麗な和菓子たちが並ぶこのお店は、山形市双葉町にある「和菓子 甘果」。今回はこちらのお店に取材に行ってきました。
いきなりですが、みなさんは和菓子にどんなイメージを持っていますか?おばあちゃんの家で食べるものとか、お茶会の時にいただく少しお堅いものという印象を持つ人が多いのではないでしょうか。
今回はそんな和菓子をもっと身近に、そしてちょっとした日のご褒美にしたくなるような可愛らしい和菓子を紹介していきます。

キュンとする和菓子をいただく

のれんをくぐってお店に入ると、温かい雰囲気のこぢんまりとした店内に数種類の和菓子が並んでいます。和菓子の種類は季節や日によって変わるそうですが、どれも繊細でキュンとする和菓子ばかりです。私たちが取材した当日、並んでいた和菓子は9種類!今回はその中から6種類の和菓子をいただきました。

「練り羊羹」
甘さは控えめでこしあんの舌触りが心地よく残る羊羹。見た目も光を反射するほどつやつやで、定番の和菓子ではありますがここでしか味わえない美味しさ。

「干し羊羹」
気になるのは普通の羊羹との違いですよね。干し羊羹は凝縮されて甘くなっているのかなと思いきや、こちらも甘さ控えめで練り羊羹よりもふわっと溶けるようでした。

「上生菓子セット(右「木枯らし」、左「銀杏餅」)
木枯らしは、外側がつくね芋という山芋のきんとんで、中にはこしあんが包まれています。つくね芋のホクホク感があり、こしあんとの違いが楽しめました。
銀杏餅は、ふわっとしたお餅の中に甘い白あんとほんのり塩っけのある銀杏が包まれていました。中の銀杏は独特な香りが抑えられていて、でも最後にはふんわりと香り、銀杏が苦手な人も好きな人もどちらも楽しめると思います。 実は私、銀杏が苦手なのですがこの銀杏餅はとっても食べやすくて美味しかったです!今回いただいた中で一番好きな和菓子でした!

「和三盆」
口に入れた瞬間ふわっと一瞬で溶けてしまいます!はったい粉の香ばしさと甘さがとても美味しく、グループのメンバーのお気に入りです。

「甘果もなか」
もなかの中には粒あんが入っていて、香ばしいもなかと甘い粒あんがとても美味しかったです。丸いフォルムと「甘果」の焼印が可愛らしい♪

店主 田中美海さんにとっての和菓子

和菓子 甘果は、2021年4月に山形市双葉町にオープンしました。店主である田中 美海(よしみ)さんが和菓子のデザインから制作・販売までを一人で行なっています。

田中さんが考える和菓子の魅力や好きなところは、「季節をたった45gの少ない材料で表せるところ。和菓子はほとんど、旬の食材とあんこと砂糖の少ない種類の材料で形や色に変化をつけて、味だけでなく見た目においても季節を感じられるということが魅力です。」そうお話してくださった田中さんですが、和菓子職人の道に進んだのは大学卒業後でした。就職活動が思うようにいかなかった時、幼い頃に抱いていた和菓子職人への夢を思い出し、その道に進む決意をしました。その後、奈良や京都で修行を続け「和菓子甘果」をオープンしました。

幼い頃に抱いた夢の和菓子職人になった田中さん。そんな田中さんには、これまで和菓子を作り続けて何度作っていても好きな工程があるそうです。「あんこを練る前の炊き上げる作業が好きです。お店中に広がるあんこの香りで気分が上がります。他にも和菓子の制作以外で好きな工程は、和菓子を載せる器を選ぶとき。和菓子をきっかけに器を好きになり、修行時代から少しずつ買い集めていました。」

手のひらサイズに込める季節

田中さんが和菓子を作る上で最も大切にしていることは「季節感」です。「季節感がお客さんに伝わるように見た目、味、音で表現しています。見た目は、和菓子という立体的な面白みを意識しつつ、お茶会の雰囲気に合わせたり、会話がはずむように旬の食材、味を取り入れたりしています。」

「音」というのは和菓子につける名前のこと。見た目以上に季節を感じさせる力があると言います。実際に田中さんも和菓子の名前をきっかけにこれまで知らなかった季節にまつわる言葉を知ることがあったのだそう。「若者に限った事ではありませんが、季節の言葉やモチーフを楽しむ人が減っているように感じます。だからこそ、山形の人には和菓子を通して 『季節』を楽しんでほしいですね。」

さいごに

田中さんは和菓子のことをずっと考えていて、五感で感じたことを和菓子で表現してしまうほど和菓子に愛とリスペクトがある熱い方でした。食べる人のこと、和菓子の役割のことを考えつつ、キュンとする和菓子を作り続けています。和菓子は多くの人にとってあまり身近な存在ではないと思いますが、手のひらサイズの和菓子に込められた、季節で変わる見た目、味、音、空気の香りをぜひ多くの人に感じていただきたいです。
和菓子甘果さんは1か月に2回ほど季節の和菓子などが変わります。その季節にしか味わえない和菓子を、ちょっとした日のご褒美にしてみてはいかがですか。

和菓子甘果の詳しい情報はこちらから
https://www.instagram.com/wagashikanka/

田中さんの人生に迫った記事はこちらから
https://yamagata-anone.jp/magazine/yamagatagachaclub-wagashikanka1/

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