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こんにちは!にもがーるずのsachiです。今回私たちが訪れたのは、山形市平清水にある草木染工房 瓶屋(かめや)。山形県の花として有名な「紅花」をはじめとする山形で育てた素材を使い、ひとつひとつ手作業にこだわって制作した草木染商品を提供しています。店内には今までに見たことのない色合いの染め物がたくさんあり、どれも美しくて鮮やかでした。この記事では私が草木染工房 瓶屋で発見した “真の美しさ”を紹介します!
自ら育てた素材で布を染める

山形の焼き物の中でも古い歴史を持つ「平清水焼」で有名な平清水。県内では陶芸の里としても有名です。そんな歴史ある地域で、染め物を手がけているのが草木染工房 瓶屋です。店主の佐久間さんがこのお店を始めたのは約30年前。元々紅花染めを習っていた佐久間さんは、紅花の収穫をきっかけに畑仕事に魅了され、自分の家で所有していた広い畑で草木染めの材料となる草木を育てはじめました。草木染めと聞くとついつい染める仕事がメインだと思いますが、佐久間さんの場合は「野良仕事が7割」。「野良仕事ができるからこのお店を始めました。自分の育てたもので染めたいんです」と佐久間さん。
商品がない!?
店内に入るとタンスがたくさん置かれていました。お店なのに、なぜか商品はほとんど並んでいません。私たちが不思議そうに店内を眺めていると、佐久間さんがその理由を丁寧に教えてくださいました。「染め物は光などの環境によって色が変化しやすいため、ディスプレイはせず常にタンスに入れて販売しているんです」タンスの引き出しをそっと開けてみると、カラフルな色合いの染め物がずらりと並んでいました。

草木染工房 瓶屋の3つのこだわり
佐久間さんには制作する上でのこだわりが3つあります。
1.ミシンなど機械を使わず昔ながらのやり方ですべて手作業であること
2.山形のものを使うこと
3.化学染料を使わず草木などの素材だけで染めること

布はミシンの圧力をかけずにすべて手ぬいすることによって、柔らかくシルクを仕上げることができるそう。そして素材の生産地にもこだわっています。商品に使われるシルクは鶴岡、和紙は月山和紙など山形の和紙、草木は佐久間さんが自ら育てているものを使用しています。最後は、化学染料を使わないこと。これにより素材本来の色味をひきだすことができるんだそう。しかし一方で、色が変化しやすく色落ちもするそうです。これほどこだわってせっかく美しい色を出したのなら、色落ちしないように加工したらよいのでは? と思った私に、佐久間さんは想いを話してくださいました。
移ろいを愛でる日本人の心
「今は変わらないものが当たり前になっている時代だけれど、人が死ぬように色も死んでいきます。移りゆくものを楽しむというのは日本独自の文化であり、それこそが草木染めの魅力です」
このお話を聞いて私はふと、いつか授業で習った「諸行無常」という言葉を思い出していました。世のすべてのものは移り変わり、また生まれては消滅する運命を繰り返し、永遠に変わらないものはない。変わりゆくものを楽しむ日本人の心が自分の中にも確かに受け継がれているんだなと感じました。
草木染工房 瓶屋では、使っているうちに色が移ろってしまった瓶屋のスカーフに限り有料で染め足しをさせて頂き、さらに長くお楽しみいただく取り組みを行っています。そこには、佐久間さんの「長くひとつの物を大切に大切に使って欲しい」という思いが込められています。
伝統文化を受け継ぐことの難しさ
最近は、紅花で染められたハンカチなど、私たちの周りでも染め物をよく見かけるようになりつつあります。海外でも比較的購入しやすい染め物が人気です。しかし、そういった安価な商品には紅花だけでなく化学染料も使われていることがほとんどだそう。「紅花の染め物は汗だけでも色が落ちてしまうため、瓶屋ではハンカチには使っていません。染め物を沢山の人に知って欲しいと思う一方で、本来の染め物の良さを伝えていける人は少なくなっています」と、本来の草木染めのことを知らない人が増えてしまうことを懸念する佐久間さん。文化を受け継いでいくということはそう簡単ではないと実感しました。
山形の花「紅花」
最後に「山形県の花」として有名な紅花で染められた商品も見せていただきました。実際に自分の目で見てみると驚くほど鮮やかで、「赤」の一言では表せないほど深く高級感溢れる色でした。

紅花はかつて、金と交換できるほど高級なものとして扱われていました。100坪から取れる紅花の量はたったの1kgほど。古くは舞台で踊る人のためにつくられるなど、身につけることができたのは高貴な人(天皇)やお金に余裕のある人だけでした。「現代では科学の進歩とともに紅花がさまざまな場面で使われることが増えていますが、かつての美しさやはかなさが忘れ去られつつある」と佐久間さんは言います。伝統文化や紅花の生産を継承する人の不足など、様々な課題があります。「後継者と出会うということは簡単ではないですが、紅花染めを通して山形にはこんなに美しいものがあるのだということを伝え、草木染めという伝統があることを多くの人に知ってもらいたいんです」そんな想いを胸に、今日も佐久間さんは畑仕事に勤しみます。
さいごに
これまで染め物を近くで見る機会がなかった私にとって、今回の取材はとても貴重な体験になりました。草木染めを通して「真の美しさ」を体感するだけでなく、真の美しさに触れ、伝統文化を学ぶことができた1日でした。ぜひみなさんも、草木染工房 瓶屋で山形ならではの草木染めや紅花の「真の美しさ」を体感してください。




草木染工房 瓶屋に関する情報はこちらをご覧ください
https://kameya-co.jp/
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