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伝統と形を変えて受け継がれる笹野一刀彫

笹野一刀彫ささのいっとうぼりは、山形県米沢市笹野地区に伝わる伝統工芸品です。コシアブラの木をサルキリと呼ばれる大きな刃物で彫り上げていきます。その中でも特に有名なのが、お鷹ぽっぽと呼ばれる鷹の形をした置物です。

私たちチーム「For M」は、元祖笹野一刀彫の 鷹山 山葡萄つる工房 笹野一刀彫さんを取材し、お鷹ぽっぽの歴史と魅力についてお話を伺いました。この記事では、チーム「For M」の横山美陽が、笹野一刀彫の誕生の歴史やお鷹ぽっぽの魅力をたっぷりお伝えします!

笹野一刀彫の誕生と発展

時はさかのぼること1000年以上前。坂上田村麻呂が東北地方を征討した際、戦いの勝利を祈願して祀った千手観音とともに、信仰の対象として笹野一刀彫が誕生したと伝えられています。その後、米沢藩の藩主であり、名君として知られる上杉鷹山が、冬季に農作業が減る農民たちの副業として笹野一刀彫の制作を奨励したことが、その広まりのきっかけとされています。

また、笹野一刀彫は、もともと花の形をしていたそうです。最初に作られたのは、神棚や家に飾るための笹野花。この笹野花は、くるくるとした花びらが特徴のため、作るのがとても難しく、熟練した職人さんでなければ完成させることができないそうです。花びらの細かい彫りには、 職人魂 が込められています。

鷹の笹野一刀彫、お鷹ぽっぽの誕生

笹野一刀彫といえば、今では鷹の置物、お鷹ぽっぽが最も有名です。上杉鷹山の名前にちなんだこの置物は、魔除けとして広まりました。

時代が進むにつれ、お鷹ぽっぽの種類も増え、昔のお鷹ぽっぽと今のお鷹ぽっぽ を見比べると、その違いは一目瞭然です。 子どものおもちゃとして使われることもあり、鋭い目つきのものからかわいらしい模様 が施されたものまで、さまざまなデザインが生まれました。

この工房の職人である戸田賢太郎さんは、絵付けの際のさじ加減ひとつで鷹の表情の印象が大きく変わるところが、お鷹ぽっぽの魅力だと語ってくれました。

形を変え、受け継がれる笹野一刀彫

現在では、鷹だけでなくフクロウ、猫、ペンギン、干支など、さまざまな種類の笹野一刀彫が作られています。特にフクロウは 海外の方にも人気だそうで、笹野一刀彫は世界にも広がる伝統工芸品となりつつあります。

最近では、若い人向けのかわいらしいデザインの作品も多く作られているので、世代を超えて愛される存在になっていくといいですね!

まとめ

笹野一刀彫が、1000年以上の歴史を経て現在まで受け継がれてきたのは、職人さんの技術と 伝統への想いが代々守られてきたからです。そして、時代の流れに合わせて種類が増えながらも、多くの人々に愛され続ける存在であり続けました。

しかし現在、職人不足や気候変動により材料であるコシアブラの不足といった大きな課題 に直面しています。

私は、笹野一刀彫が山形の伝統工芸品として、これからもずっと愛され、受け継がれてほしいと思っています。私たちFor Mは笹野一刀彫を広める活動をしています。笹野一刀彫は海外での人気が高まっているため、海外でアピールすることを考えました。そこで、チームメンバーの1人の親戚が経営しているドイツのジュッセルドルフにある日本食レストランに協力してもらい、笹野一刀彫とパンフレットを掲示してもらっています。パンフレットには笹野一刀彫についての紹介や制作過程、種類などを英語で掲載しています。笹野一刀彫を広める活動がもっとたくさんできるよう、これからもがんばります!

もっと笹野一刀彫について詳しく知りたくありませんか?

基本情報

鷹山 山葡萄つる工房 笹野一刀彫の詳細はこちら
公式サイト:https://you-zan.jp/
住所:〒992-1445 山形県 米沢市笹野本町5742-1

この記事のアンバサダー

横山美陽(For M)

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