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一歩踏み出せば、世界が変わる~ロングトレイルが教えてくれたこと~

チームいちまる」の、ぬまです!みなさんは、ロングトレイルという言葉を耳にしたことがありますか?ロングトレイルとは、長い距離を歩くことであり、山の中や平地、街中を歩きます。山を歩くときは、多くの人がイメージする「山登り」とは違い、山頂を目指すものではありません。長い距離を歩くことで、その土地の歴史や文化に触れることができる、奥深い旅路なのです。

今回は、そんなロングトレイルに魅了され、山形で活動を続けているNPO法人山形ロングトレイル代表の斉藤正史さんにお話を伺いました。

きっかけは夜に見た特集番組

代表の斉藤さんが、ロングトレイルに出会ったのは28歳の時。深夜、偶然見たロングトレイルが特集されていた海外の番組でした。当時、会社員として働いていた斉藤さんの目に映ったのは、若者たちがロングトレイルに挑戦する姿。その番組を見て、いつかその場所に行く予感がしたそうです。

斉藤さんは、幼い頃から父親と一緒に山登りをしたり釣りをしたりして、自然と遊ぶことが身近でした。山登りにおいては山頂を目指すことには興味がなく、自然の中でゆったりする時間を大切にしてきたといいます。ロングトレイルの存在を知ってから3年後、斉藤さんは、ついにアメリカの地を訪れることができたのです。

ロングトレイルの世界に飛び込んで

31歳の時、人生で初めてのロングトレイルに挑戦した斉藤さん。旅では、多くの仲間と出会い、かけがえのない経験をしたそうです。その中で、日本においてロングトレイル文化を切り拓いた第一人者との出会いがありました。斉藤さんは、その方の情熱に影響を受け、「ロングトレイル」という文化の魅力に引き込まれていきました。

しかし、その後第一人者であったその方はALS(筋萎縮性側索硬化症)を患ってしまいます。病気を知った斉藤さんたちは、その方のために何かできることはないかと考えました。そこで思いついたのが、その方にとって思い出の地であるアメリカの国立公園へ一緒に行くことだったそうです。すでに動けないその方を背負って、仲間たちとともに公園でひと時を過ごしました。この経験が、斉藤さんの中にある想いを芽生えさせたそうです。

「このままロングトレイルという文化が埋もれてしまうのはもったいない。今後、会社員として働く人生より、その方の夢を追い続ける人生を選びたい」

斉藤さんはそんな想いを胸に、アメリカから日本への帰路につきました。帰国からしばらくして、会社員としての安定した生活を手放し、アウトドア、ロングトレイルを普及する道を新たに歩み始めたのです。

その想いに共鳴した友人たちの協力を得て、創設されたのがNPO法人山形ロングトレイルでした。

まず一歩踏み出すことが大切

「もちろん、活動し始めた当初は手探り状態で上手く行かないことばかりでした。行政に自ら働きかけても、『ロングトレイルって何?』といった反応が多く、収入も不安定でした」と語る斉藤さん。それでも活動を続けた結果、今では、徐々に支援してくれる人が増え、「この世界に入ってよかった」と笑顔で話します。

2023年5月には、初心者でも気軽に楽しめる白鷹丘陵トレイルのオープンを実現させ、現在では、蔵王の国定公園のルート開拓に向けて取り組んでいるそうです。また、国内外のロングトレイルに関する記事執筆や、山形市少年自然の家でのトレイルガイドなど幅広く活動されています。

「興味があることにはまず一歩踏み出してみることが大切だと思っています。先入観を持たず、やってみることでその人の人生がより楽しいものになるはずです。その一つがロングトレイルであればいいなと思っています」と力強く語ってくれました。

今回は、NPO法人山形ロングトレイル代表の斉藤正史さんにインタビューさせていただきました。「まず一歩踏み出してみること」。斉藤さんの言葉には、ロングトレイルに限らず、私たちが新しい挑戦を始める時に大切なヒントが詰まっていました。私自身、自然が好きなのでぜひロングトレイルに挑戦してみたいと思いました。この先も、斉藤さんの活動がさらに広がり、多くの人に新たな人生の選択肢を広げる可能性を届けることでしょう。自然に触れたい、山形の四季を感じたいという方は、ぜひ山形でのロングトレイルを体験してみてください。

基本情報

NPO法人山形ロングトレイルの詳細はこちら

公式サイト:https://yamagatalongtrail.wixsite.com/yamagatalongtrail

Facebook:https://www.facebook.com/yamagatalongtrail/?locale=ja_JP

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