山形あのね

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やまがたトリコトリオ
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県内唯一の磁器「上の畑焼(かみのはたやき)」を体験!

チーム「やまがたトリコトリオ」のまおです。

尾花沢市の銀山温泉行きバスで「上の畑焼陶芸センター」に行ってきました!手びねりによる陶芸教室を体験しながら、上の畑焼作家の松浦加奈さんにお話をお聞きしました!

陶器と磁器の違いって?

「皆さん“陶器”と“磁器”の違いって知ってますか?」

こんな問いかけから始まった松浦さんのお話。芸術に疎い私は、この言葉で一気に松浦さんのお話に吸い込まれていきました。答えとしては、「材料の違い」で分類されるそうです。陶器は山土などのドロドロした粘土を材料として作られます。そのため、細かいデザインやアートな作品も作りやすいのが特徴です。また、内容物が冷めにくい特性もあるため、土鍋のほとんどは陶器で作られているそうです。

一方で主原料を石とするのが磁器で、上の畑焼は銀山で発掘される石を使用して作られるため、“磁器”に当たるそうです。石を山から掘りだして、雨風に当てて風化させることで活用しやすいように変化させ、砕いて粘土にします。磁器のもととなる石が採掘できるのは、県内では旧上野畑村しかないため、貴重な場所です。石からできた粘土はサラサラしており、上の畑焼は食器などの細かい形成がない日用食器として制作される場合が主です。熱伝導が高いので「磁器は夏に冷たいものを、陶器は冬に温かいものを食べるときに」と使い分けをするといいそうです。

上の畑焼を制作している松浦さんは「用の美」を追求して、口当たりがよく、生活に根差すような作品を提供することに注力しているそう。「食器棚にいつもある作品を」という素敵な言葉もお聞きすることができ、心があたたまる時間でした。

手びねりの陶芸教室とは…

お話の後、陶芸教室がスタート!1㎏の粘土を手びねりで形作っていきます。手びねりとは、手で粘土を転がして形を作っていく方法です。陶芸というと、ろくろが回転し、手を添えることで形を変化させるものを想像する方が多いのではないでしょうか。今回は初めての私たちでも作りやすい手びねりでの方法をご指導いただきました。

湯呑みや花瓶などの高さのある作品の作り方はこちら!

①底を直径5センチ程度、指2本分の高さで作る。底を後から削るため、厚みが必要!ちなみに、湯呑みの裏側の削って残った部分を高台(こうだい)と呼ぶそうです!

②手びねりで粘土を掌で転がして紐を作る。紐の太さが一定になるように転がすのがポイント!机を使って転がしてもいいですが、掌で浮かせて転がすことで、より簡単にできるそう!

③作成した紐を好みの高さまで数本積み上げる。横から見ると台形になるように、内側に積み上げていくことでその後の調整が楽になるよ!

④指で紐の間の段差をなくす。粘土同士をつなげるイメージ。ここはサッとでOK!

⑤壁の厚みを一定にするために、親指と人差し指でつまみ上げる。紐が太いところは高く、細いところは低い壁になる。

⑥高さを均一にするために、切り針金で高い部分を切り取る。

⑦口あたりが良くなるように、切り取った部分を調整する。

⑧ハンドル(持ち手)などの装飾を作ったら完成!

ポイント

☆手の熱で粘土が固くなってしまうため、長時間触らない

☆使う人の視点に立って、大きさと形を調整する

☆高温で焼くと20%小さくなるため、大きめに作る

1時間半で「マグカップ」「箸置き」「小皿」の3作品を作ることができました!陶芸初体験の私でも楽しくできる松浦さんの陶芸教室!松浦さんに就活の相談にのってもらいながら、充実した時間を過ごすことができました。

陶芸教室から見えてくる継承者の想いとは…?

松浦さんは普段、地元の小学校の行事や授業の一環で、陶芸教室を開いているそう。小学生に地元の文化や芸術を体験する機会を提供することができ、地元愛を育む機会になれば良いと話す松浦さん。収入や働き方重視の仕事とは違い、やりがいを追求し、地域貢献をモチベーションに活動されていることがひしひしと伝わってきました。近年、デジタル化に伴いプログラミングの授業が導入されたり、ダンスが体育の必須内容になったりと、授業内容が現代的になる一方で、「伝統を知る」「地域アイデンティティに触れる」ことを通して、地元愛を育むことの重要性を再確認できました。

まとめ

今回は尾花沢市の「上の畑焼陶芸センター」で陶芸をしながら継承者の松浦さんの想いに迫ることができました。旧上野畑村で発祥した文化を次世代へ繋いでいく1人として、強い想いを持っている松浦さん。作品を多くの観光客に広めることだけではなく、地元の子供たちへ地元愛を育む機会を与える素敵な活動を行っている方でした。みなさんもぜひ松浦さんのもとで山形県の素敵な文化に触れてみませんか?

基本情報

上の畑焼陶芸センターの詳細はこちら

公式サイト:https://ginzan-kaminohatayaki.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/kaminohatayaki/

住所:999-4333 山形県尾花沢市銀山新畑162-1

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