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やまがたトリコトリオ
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幻の焼物「上の畑焼(かみのはたやき)」を現代にもう一度

みなさんこんにちは!チーム「やまがたトリコトリオ」の千葉菜々美です。今回は、尾花沢市にある上の畑焼陶芸センターさんに行ってきました。実際に陶芸を体験し、上の畑焼作家の松浦加奈さんに上の畑焼の歴史についてインタビューしました。

幻の焼物は江戸時代末期から始まる

山形県の伝統工芸品というと、天童将棋駒や置賜紬などを思い浮かべる方も多いと思いますが、なんと200年前に姿を消したものの、現代において復活を遂げ多くの方に愛されている焼物があるんです!その名も上の畑焼。上の畑焼は江戸末期に、東根の長瀞藩が、藩領上野畑村(現在の尾花沢市銀山温泉の白銀の滝上流)の陶石を使った作陶を産業にしようと、肥前古伊万里系の陶工を浪花(大阪)から招いて窯を開いたのが始まりです。しかし、松浦さんによると山形県の雪深さによって焼物の生産管理が難しくなってしまったことや、焼物の原料となる石の質の問題など様々な要因が合わさり、たったの10年で幻の焼物になってしまったとのことです。

200年前の焼物をもう一度

そんな歴史が途絶えた上の畑焼をもう一度復活させ、現代的な感性を取り入れ発展させた方がいるんです!それは松浦さんの父親である伊藤瓢堂(ひょうどう)さん。伊藤さんが約40年前、焼物の破片を発掘し、その文様や形などから研究を始めたことが復活のきっかけです。掘り出したものの、現存する実物が少なかったため苦労し、中国や韓国に出向き、文様や形のルーツも探ったそうです。このように上の畑焼に対する強い想いがあったからこそ、幻の焼物が現代でもう一度復活し、現在では多くの方に愛される焼物となりました。

そんな上の畑焼の大きな特徴は伊藤さんも研究を重ねた「模様」にあります!その模様は風水三多紋と呼ばれ「桃」「柘榴(ザクロ)」「仏手柑(ブッシュカン)」の3つの果実を指します。この三多紋の書かれているものを「鬼門」と言われるところに置くと「正しい気が入ってくる」と言われており、それぞれの模様には異なる意味が込められています。桃は長寿と魔除け、柘榴は子孫繁栄、仏手柑は招福を意味すると言われています。

体験では、笑顔が素敵で親切な松浦さんに指導してもらったことで、1時間半の陶芸体験があっという間に感じられるほど楽しい時間でした。上の畑焼は素朴な白地に美しい藍色が魅力的な作品のため、現代の若者にも浸透しやすいデザインだと感じました。

SNSで発信したくなる上の畑焼の魅力

ここで、SNSで発信したくなる上の畑焼の魅力を4つご紹介します!もし体験することがあれば、ぜひ発信してみてください!

1.幻の焼物という他の焼物にはない魅力

200年前に姿を消したものの、復活し現在では現代生活と関わりながら時代と共に進化し続ける焼物は唯一無二です。

2.異業種との積極的なコラボレーションで作品作り

上の畑焼はガラス製品や木地、漆とのコラボレーションを通じて、様々な可能性を秘めています。いつか皆さんの身近なところでも「上の畑焼」が発見できる日が来るかも!?

3.完成後に絵付けも楽しめる

自分で粘土を捏ねて作品作りをするだけではないのが上の畑焼陶芸センターさんの魅力の1つ!完成した後でもう一度自分の好きな絵付けができるため、2度体験が楽しめます!物づくりに興味のある学生にピッタリな陶芸体験。

4.県内唯一の磁器

県内では唯一の石からできた焼物となっています!磁器は耐久性も高く、長期間使用することが可能です。ぜひ長く愛用できる自分のお気に入りの焼物を見つけてみませんか。

山形県はたくさんの魅力で溢れていますが、実はもっと皆さんの知らない魅力があります。伊藤瓢堂さんの強い想いから始まった上の畑焼の復活。上の畑焼を学び、体験することで、もっと山形県を知る一歩を踏み出してみませんか。

基本情報

上の畑焼陶芸センターの詳細はこちら

公式サイト:https://ginzan-kaminohatayaki.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/kaminohatayaki/

住所:999-4333 山形県尾花沢市銀山新畑162-1

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千葉菜々美(やまがた トリコトリオ)

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