12STYLES
家具職人:石橋 葵 さん

木工芸家
好きが原動力。
技を極め、天職へ
石橋 葵
家具職人
株式会社 天童木工
天童市


Life
リフレッシュできる自分時間
山形の自然と人柄に癒され
木工そのものが趣味という石橋さん。休日には家具以外のものづくりにも挑戦し、動画サイトで学んだことを実践するなど、いつも頭の中にはものづくりがあります。
就職をきっかけに沖縄から山形へ移住したことで、四季の移ろいや方言など、日常の中の驚きや新鮮な発見にも出会えるといいます。冬のアクティビティを楽しみ、人の優しさやあたたかさに触れる日々。
まだ見ぬ山形の景色にもこれから出会いたいと話す姿から、暮らしそのものを大切に楽しむ様子が伝わってきました。


Work
家具職人/株式会社天童木工
技能五輪全国大会4連覇を達成
家具職人を志したのは中学2年生のとき。自宅の食器棚が壊れ、自ら修理した経験が原点でした。作業の楽しさに加え、家族の喜ぶ姿が大きな原動力に。その後、工業高校の木工工芸部に入部し、顧問の勧めで技能五輪に出場。天童木工の製造部長から評価を受けたことがきっかけで、同社の作品に強く惹かれ、就職を決意。学生時代の経験が、今の自分を形づくったといいます。
年齢制限がある技能五輪がひと段落した今、次に目指すのは熟練者向けの技能グランプリ。現在は技術を磨きながら、使う人の想いに寄り添う家具づくりを目標としているそうです。


Q. ものづくりの魅力はなんですか?
「何もないところから形が生まれる」その瞬間が一番面白いと思います。普段使う机や椅子も、最初はただの木の板。それが少しずつ形になっていく過程は本当に魅力的です。ものづくりに決まった道筋はありません。完成を思い描きながら方法を選び、自由に工夫できるところに大きなやりがいがあります。精度が目に見えてわかるのも、この仕事ならでは。最初は思うようにいかなくても、技能を磨くほど選択肢が増え、できることが広がっていく─そこにものづくりの奥深さを感じています。


Q. 沖縄から山形へ来て驚いたことはありますか?
まずは方言ですね。来てすぐの頃、ベテラン職人さんの言葉がまったく聞き取れず苦労したのも、今では良い思い出です。いまだに同僚が家族と電話している内容がほとんどわからないこともありますし、逆に私の沖縄の言葉が伝わらないこともあります。
食文化の違いも興味深いです。例えば、納豆はご飯にかけて食べるものと思っていました。ところが山形には納豆餅やひっぱりうどんがある。そして、スーパーでイナゴやドジョウが売られていたのは衝撃でした。
また、風景も大きく違います。沖縄といえば海ですが、山形は山や川の景色が美しい。地元では海辺でBBQをしていたので、河原での芋煮会はとても新鮮でした。自然に囲まれた、ゆったりとした雰囲気は山形ならではなので、とても気に入っています。
Q. 目標に向かってどのように努力していますか?
一番大事にしているのは、「納得できるまでやり切る」こと。以前は時間を区切って練習していましたが、それでは全力を尽くしたとは言えないと気づき、今では自分が満足できるまで取り組むようにしています。結果を出すのは自分自身であり、「やっておけばよかった」という後悔は何の意味もありません。
また、父から言われた「不幸の始まりは他人と比べること」という言葉を胸に刻んでいます。他人と比べるのではなく、学ぶ姿勢を持つことが大切。ベテラン職人の技を見れば、必ず新たな気づきがあります。技能五輪でメダルを獲得したときも、同時に「まだ足りない」と実感しました。常に自分に不足していることを見つめ、技能を磨き続けています。




Message
諦めず努力すれば、夢は必ず叶う。私は日本一の家具職人を目指し、技能五輪に7回挑戦しました。最初の3年は入賞できず悔しい思いもしましたが、挑戦を重ねた結果、史上初の4連覇を達成できました。失敗や悔しさは成長の糧。皆さんも恐れず夢に向かって、一歩ずつ挑戦し続けてほしいです。
株式会社 天童木工
HP:https://www.tendo-mokko.co.jp/
Instagram:@tendo_mokko
